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「明日は絶対するから」
ばーっとシャワーを浴びて、さっさと寝支度したらベッドに潜り込んだ。仰向けに並んで、手を繋いだ。
「でも、よく考えたら打ち上げあるでしょ?」
「あ………あー、早めに切り上げて帰る!」
「いやいやいや、いなきゃだめですよ!充さんが中心の公演なのに」
「そんな…まあ、そうだけどね、全部振り付けしたし……」
「ちゃんと待ちますから」
「……うん、じゃあ待ってて。それなりに覚悟決めてから誘うわ、せっかくだったら」
「覚悟決めるって…どういう意味ですか?それ」
「え、言われない?ここ!サイズが!」
繋いだのと反対の手が布団の中で動いて、やわやわ触られる…
「入らない、って思ったんだもん。言われなかった?女の子に。ほら、よく女の子とデートしてるって話だけど」
「誰情報ですかそれ」
「シノ」
「シノ…」
「え、言われたでしょ?」
「別にそんな、してるとか」
「言われたことあるでしょ?」
不意に横を見たら、刺すような目で見てくる…
「……まあ、なんか、リアクションでなんとなく察するとかはあった…かな……」
「でもしようね。絶対するよ、こうなったら意地でも」
「や、嬉しいですけど、でも、無理なんだったら無理しないで、さっきみたいなのでも嬉しいです、気持ちよかったし、すごい…しあわせすぎるなあって」
「ほんと?や、でもな、試さないと。あ、別にしたいが為にもう一回付き合ってって言ったんじゃないからね!!」
充さんの方に体を向けた。それから抱きしめた。
背中を手のひらでさする。
「僕はどうであれ、充さんとまた一緒にいられるのが嬉しいです。一緒にいたいってずっと思って貰えるように努力しなきゃ」
「思ってたんだよ?透は何もしなくてもいいんだって。ただ俺がなんていうか、ちょっと不貞腐れてただけじゃん」
「不貞腐れて別れるとか言わせちゃった僕が悪いし」
「……彼女できて進化した?なんかかっこいいこと言ってるけど」
「え?や、だから誰とも付き合ってないんですって!」
「えー?」
「遊びには行きましたよ?でも、だからって別に付き合うとかには」
「え、なんで?」
「別に…そんなずっと一緒にいたいとか思わなかったし…」
胸元でもぞもぞ、頭が動いた。
「俺とは一緒にいたいって思う?」
目が合った。
そんなの決まってるのにどうして聞くんだろう?
不安だから?確認したかったから?
…理由なんてどうでもいいな。何回でもちゃんと答えたい。僕はたしかに、充さんと一緒にいたいんだから。
頬を手のひらで触って、耳元に唇を寄せた。
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