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「おめでとう〜!」 次の日、充さんと大学まで一緒に来て、カフェテリアの前で別れた。それから、作業室に行ったらなんか風船とか飾られてて、ケーキ置いてある。 で、パーティーのなんか、三角の帽子かぶった遙とシノがクラッカーぱーんってしてきた。 「なにこれ」 「え!無事にまた付き合えたじゃんか〜」 「なんで知ってんの?」 「僕が確認したから」 「シノ!!」 シノは自慢気に笑って、スマホを向けてきた。 『うまくいきました?』 『しのーーーーーーうまくいったよーーーー』 『よかった!』 『ありがとね!!しののおかげだよ♡』 「え、なに、シノどういう立ち位置?」 「公演のことでちょいちょい会う度になんかうにゃうにゃ言ってたからさあ、僕もそれなりに透にカマかけて、ちゃんと今も充さんのこと好きか確認したりしてね、報告してたわけ。そしたら決心ついたっぽかったから、協力しますよーって、はるちゃんと」 「ちゃんとモデルになってもらいなよ、次は。渋らんとさ。とおるちゃんがうまくなったらとか、そういうんはいらんのよ。何回も何回も描いたらいいわけ。みちるのことはいくら見たって飽きないだろ?死ぬほど見たれよ!目で殺すくらい見たったらいいじゃん。じゃあとりあえず今後の抱負を発表しなさい」 馬鹿正直に抱負を語ってる間に、遥とシノはケーキをほぼ食べきった。 それから、搬入に向けての作業を3人でやって、公演を観に行った。 ロビーにはやっぱりたくさん人が待ってたけど、充さんは一直線に僕の方に来て人目も憚らずにハグをした。背中に触るとしっとりして熱い。 「後でまた来る?」 「うん、来ます」 耳元で小さく囁き合って、それから離れた。 行ってしまう背中を見送った。 遙とシノの方を見ると、なんとも言えない顔してる。 「見たらあかんもん見たなあ」 「堂々としたハグだった」 「もうさあ、俺の知ってるとおるちゃんじゃないのかもしれん……あんな、人前でちゅっちゅしてさあ」 「してないし!!」 「してたじゃん!耳にちゅっちゅしてたよ?すごいわほんと」 「してないから!!」 「はるちゃんもしたいの?」 「はっ……!!せ、せんだろうがそんなもん!!もう戻ろっ」 遙は行ってしまう。 「はるちゃんは絶対しないだろうな」 「僕もそんな、してきてもらったからあれなだけで!なかなかこんな人いっぱいいるところじゃ、ねえ…」 「知らない人がその場に1人でも居たら、手すら繋がないよ、はるちゃん」 「そう?」 「うん。まだ、友達でいた時の方が人前でも気にしてなかった気がする」 「……あーーー、なんか…そうかもね、そういうとこあるかもね、遙」 僕たちも遙の後ろをついて歩き始めた。

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