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「透の絵、好きだよ」
充さんとベッドの中で手を繋いでる。
不意に言われて、顔を横に向けた。目が合う。
「ありがとう、嬉しいです」
「なんか生きてる感じがする絵だった」
「…おー…」
「真ん中の大きい絵ももちろんだけど、周りに飾ってた手の絵、あれがなんか、…なんだろうな……触ってみたいっていうか…キャンバスに触りたいんじゃなくて、あの手に触れたいって思った…まあ、無理なんだけど」
「あの手、充さんの手です」
「え!」
繋いだ手に少し力を込めた。
「僕のミューズ」
そう言ったら、充さんはくすくす笑った。
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