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第4話

こうして四月、ざくろは立春高校へ入学した。 もうすぐ二ヶ月が経とうとするが、ざくろの容姿はとてつもない評判を呼び、淫らに乱れるその姿を一度は見たいという客が殺到した。 一回10万 客は一日一人だけ 教師にバレるのが怖くてあまり派手に動けずにいたが、この容姿と高額な金額設定のせいもあり学校中に噂が回るのはとても早かった。 しかし、ざくろの思惑通りこの容姿に釣られた客は後を絶つことなく、半年以上の予約が埋まった。 「あっ、あっ、あぁぁ・・・、は、早くイってぇ・・・・」 ただの不快感しかないこの行為に客は夢中で腰を振っては自分を乱暴に攻め立ててくる。 苦しさからの生理現象で涙が滲む瞳を客に向け、心の中を悟られぬよう甘いキスをした。 「ざくろ・・・ざくろ・・・・、やべぇ・・・すげぇ綺麗だよ」 自分の懇願に勘違いし、呆気なくも果てた男の下でほんのり汗を浮かべ、乱れる呼吸を整えていると本日の客はうっとりとした目で俺の髪を掬い上げ、情事後のキスを求めてきた。 別にそれぐらいどうってことはないが、気乗りしなくてそのキスを掌で止め、男の下から這い出た。 「もう、イったんだから終わり」 素っ気なく言って、身なりを整えると男は残念そうに顔を歪める。 「なぁ、もっと終わったあとも可愛く甘えてこいよ」 不満を口にする客に、心が曇った。 終わった後も何も、最初からこんな奴に甘えた記憶なんてない。 エッチだって、全く気持ちよくない。 稀に上手な人はいるけど全員自分の欲情にいっぱいいっぱいで、俺の快楽を引き出すどころか自分が満足する為だけに腰を振ってるだけだ。 俺はその行為を早くやめて欲しくて、いつも気持ちいい振りをして声を出すだけ。 そんなサービスをしてるにも関わらず、終わったあとまでベタベタお金にならないサービス精神を要求されるのは正直しんどい。 「ごめんね。俺、疲れちゃってて・・・。今度からは気をつけるね」 ささくれ立つ気持ちを隠すように、薄っぺらい笑みを浮かべながら、当たり障りない謝罪を口にした。 着替えを終え、前金で貰っていた10万円を手に取ってベッドから降りると社交的な笑顔を向ける。 「今日はありがとう。また予約してね」 まだ少し名残惜しそうな客を横目にざくろは部屋から出て行った。

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