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第10話

「アぁ・・ぅン・・・ま、待って・・・待って!」 衣服を全て剥ぎ取り、か細い体を組み敷くと足を大きく開かせて男はざくろの後ろの蕾へ舌を這わせ始めた。 衝撃的な行動に慌てて体を起こしながら、制止の声をかける。 「なんだよ?」 「あ、あの・・・」 ぶっきらぼうに聞いてくる男に顔を赤くし、浅い呼吸を繰り返しながら自分の鞄を指差す。 「ロ、ローションがあるから・・・。あと、俺が奉仕するんで・・・・」 恥ずかしそうに視線を伏せながらいうと、男はざくろをジッと見つめた。 「・・・・あの、聞いてます?」 無反応なのでもう一度声をかけると、男は鞄を引き寄せて中からローションを取り出した。 ホッとして、体を起き上がらせようとしたざくろは、胸を押されて床へ再び押さえつけられた。 「え?」 「いいから、お前は寝転がってろ」 男はローションを自分の掌に垂らし、グチャグチャとわざと音を立てるように指に絡めると、ざくろの後孔へ指を二本押し挿れた。 「ん、・・・ぅあ・・んゥ・・・・」 ローションのせいもあって、なんの抵抗もないまま入ってくる指にざくろはキツく目を瞑って声を漏らす。 後ろを掻き回される感触が気持ち悪い。 それを隠すように必死に喘ぎ声を出したのだが 、男に後頭部の髪を引っ張り上げられ、涙で濡れた漆黒の瞳を睨みつけられた。 「・・・な、なに?」 訳がわからなくて不安に駆られて聞くと、男は眉間に皺を寄せて命令した。 「気持ち悪りぃ声、出すな」 その一言にざくろはグッと奥歯を噛み締め、この不快感に耐えた。 グチャグチャと自分の後孔から聞こえるやらしい水音に耳が集中する。 無性に情けなくなり、瞳に新たな涙が浮かんできた。 「そういや、お前俺の名前知ってるのか?」 世間話しをするかのように聞いてくる男の質問に、ざくろは首を横へ振った。

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