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第11話
「九流 猛 。2年だ。覚えとけ」
名前を名乗ると、九流はざくろの中の一点を指で掠め取った。
「ヒィャアっ!」
ビリリっと、全身に電流が流れるような感覚に体をしならせて声が上がる。
「ここか・・・」
咄嗟に不味いと両手で口元を覆うと、ニヤリと顔を笑わせる九流が視界に入った。
「ふっ・・・、んっ、んっ、んんぁ・・・っ」
グイグイとその一点を執拗に押され、声が漏れないように必死に耐える。
少しでも九流の手から逃げたくて、身を捩って地面を蹴った。
暴れる自分の足首を掴んで、更に大きく広げさせ体を割り込ませると、腰を掴んで逃げられないように固定される。
「ヒィ、ふぁ・・・ぅ・・・ッーーーー」
今まで数知れずの男にこの身を捧げたが、このように愛撫をされることはなく、初めての快感にざくろは戸惑った。
「・・・っ、ぅぅ・・・ッ」
気がおかしくなりそうになる感覚に、体がビクビク震える。
抵抗したいが両手で口を覆ってないと気持ち悪いと言われた声が漏れ、九流の機嫌を損ねると思うと何一つできなかった。
「・・・・ふぅぅッ・・くぅ・・・ッ・」
もう口を覆うだけじゃ声が押さえられなくて、自分の指をキツく噛みしめた。
集中する感覚が指の痛みへ移行して、気持ちも楽になった。それが分かると、ざくろは指をより一層キツく噛み締めた。
「っ・・・ぅっ・・・・」
血が滲み、口の中に鉄の味が広がる。
痛みに新たな涙が溢れるものの、初めて感じる強烈な快感を去なすことに必死になる。
バラバラと指を動かして、前立腺を刺激しながら内壁を楽しむ九流はざくろの辛そうな声に顔をあげた。
漆黒の瞳は涙に濡れ、血が滲むほど指を噛みしめる姿に九流は驚いた。
「お前、何やってるんだ!」
怒鳴り声を上げて血の滲む手を掴むが、振り解いてざくろは再び指を噛み締めた。
「ゔぅ〜・・・・」
呻き声をあげて目をキツく閉じるざくろに、指を噛む事をやめるように命令した。
「今すぐ噛むの止めろ!血が出てるだろ、馬鹿!」
「だ、だって・・・」
涙が溜まった瞳を向けて、震える声が言う。
「声、出ちゃう・・・・ッ、我慢できな・・・んャアァッ!」
話してる途中に前立腺を引っ掻かれ、顎を反らして悲鳴のような声を出すと、すぐに我に返って再び口を覆った。
困ったと、顔を顰める九流は口元を覆う手をゆっくりと外させる。
「声、我慢しなくていいから噛むな」
思いもしなかった優しい声が降ってきて、ざくろはなんだか胸が締め付けられ、涙が流れた。
「・・・でも、気持ち悪いって」
揺れる瞳で見つめると、キツく噛み締めた唇を九流がベロリと舐めあげる。
「下手くそな演技で声出すからだ・・・。あんな声出すんじゃねぇよ。俺がちゃんと啼かせてやる」
やらしく笑って、音を立てて唇を吸いあげ、ゆっくりと薄く開かれた口の中へ舌を差し込んだ。
「・・・ぅ、んッ・・・・はぁ・・ぁ・・・」
ビクビクと体が跳ねる。
九流の慣れを感じさせる巧みなキスにざくろの意識が堕ちていく。
体の力を抜いてうっとりしてきたとき、後孔に挿れられていた指を再び掻き回された。
「ひぃムぅ・・・っ」
溢れる声を奪うようなキスは、口内を十分なほど蹂躙した。
唇を離すとざくろは酸素が足らないとばかりに息を吸い込み、快感で溢れる涙を散らして九流の下から逃げようと体をずり上がらせた。
「こら、逃げんな」
言葉こそ責めるものだが、口調はとても優しくて、縋るように九流を見上げた。
「も、もう挿れてぇ・・・はやくぅ・・・・」
一刻も早く終わらせたくて懇願すると、九流は十分に解した後孔から指を抜いた。
そして、ざくろの両足を持ち上げて体をくの字に折り曲げた。
性器も今から犯される後孔も全てが見える格好にざくろは顔を赤くして目を反らす。
「目、反らさず見とけ。お前が挿れてくれって強請ったんだから」
行動を制する声に、涙で掠れる視界を向けた瞬間、ずぶっと九流のものを挿し込まれて悲鳴を上げた。
「あっ、あっ、アッ・・ィヤァぁぁーーーッ・・・」
ズブズブ体の中へ埋まっていく九流のものを見つめながら、ざくろは自身から白濁を吐き出していた。
「お前、イッたのか?」
九流に言われ、自分が達したことに驚いた。
自分が放った精液が胸の上に飛んで、泣きたくなる衝動に駆られる。
九流は意地悪な顔で笑って、奥を揺さぶるように腰を動かすと、前立腺と最奥を暴かれていく感覚にざくろは泣き喘いだ。
「はぁうっ!・・・やっやっやっ、だめぇ・・・そこっ、ヤダぁァアっ・・・ぁう、はぁ・・・んッ・・・」
イッたことによって中が痙攣したように収縮し、九流の太くて硬いものを内壁がギュウギュウ締め付けた。
「っ・・・くそ、気持ちいいな・・・・」
額に汗を浮かべて、九流は奥の壁を突くように腰を打ち付けた。
「ひぃ、ひっひっ、だぁめぇぇ・・・、やっ、むりぃ・・・く、るしぃ・・・ァア・・・」
目の奥で火花を散らし、大き過ぎる快感に意識を飛ばすものの、強烈な刺激で再び覚醒させられ、ざくろは何かに縋る思いから脱ぎ散らかした自分の制服を手繰り寄せ、抱き抱えた。
「ここ、一番気持ちい・・・」
突くことをやめて、奥の壁をグリグリ先端で押し付けられ、涙と涎を垂らして視点を揺らしながらガクガク体を震えさせた。
「あうっぅ・・・や、やめて・・・やめてぇくらさ・・・、おねが・・・し、んじゃぅ・・・ッ・・・」
気を失うことも許されない初めての強烈な快楽にもがき苦しむ。
「なんだ?慣れてねーのか?」
愉しむというよりも辛そうなざくろに九流が気付いた。
恐らく自分の声すら聞こえていないだろうざくろに溜息を吐くと、渋々抱えていた足を下ろしてやった。
ガクガクと目に見えて震える体を抱きしめると、必死に抱きしめていた制服を手放し、代わりに縋るように自分の背中へ腕を回してくるざくろが可愛く感じた。
どうすればもっと啼かせることができるか試すように、浅い位置で前立腺を擦るように腰を振ると九流の思惑通りざくろは気が動転したかのように、泣き喚いた。
「ひっンッ、ぅア・・・やっ、やだぁ・・・もう、ヤダァアーーーッ、で、でるぅ・・・イくぅッ!」
助けてと、しがみつくざくろは体を震わさせて達してしまった。
震える体をキツく抱きしめ、熱い吐息を吐きながら九流も限界だとざくろの中で達した。
お腹の中で温かいものがじわじわと広がる感覚に涙を流しながら、ざくろは薄れる意識に目を閉じた。
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