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第19話
綺麗に体を洗った後、タオルで体を拭いてパンツ一枚履いただけの姿で部屋へと戻り、髪を乾かす事もせず簡素なシングルベッドへダイブする。
あーーーーー
しんどい・・・
体の疲れが最近取れないな
枕を抱き締めて深呼吸しながら瞳を閉じ、頭の中で整理する。
理由は分かってる
先輩との情事が体力を奪ってるんだ
あの人、なんで俺ばっかりイかせようとするんだろ
面倒くさくないのかな・・・
ローション使ってさっさと自分だけが気持ちよくなれば良いのに
今まで相手をしてきた客達を思うと、九流が不可解で仕方がなかった。
体を求めてきた客達はいつも最初から下半身を大きくさせては自分に跨り、すぐに挿れたがっていた。
流石に何も慣らすことなく行為に及ばれると後に不具合が生じる為、ローションを持ち歩くことにしていた。
客の服を脱がせて首から足の先まで舐めながら奉仕していき、その間に自分でローションを使って後孔を解す。
そうこうしていると客は我慢できないと押し倒してきては、己の欲望を捩じ込み無我夢中で腰を振るのがいつもの終末だ。
痛みこそあったものの快楽など微塵も感じたことはなく、結果いつも苦痛に耐えていたら客からのクレームが多くて気持ちがいいですと言わんばかりに喘ぎ声を上げるよう改善することになった。
痛くても気持ち悪くてもお金を貰っている以上、仕事だと自分を言い聞かせてきた。
妹を食べさせる為に必死に客に愛想を売って、その場を乗り越えてきたが歴代の客の中でも九流だけは違った。
自分の欲望を先行させるより、ざくろを快楽の渦へ放り込む事に喜びを見出しているように感じる。
正直、辛い・・・
あの強烈な快感に慣れなくて暗い気持ちに襲われる。
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