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第23話

ーーーー・・・・あきら あきらって言ったよな? あいつ、学校外の奴とデキてたのかっ!? 門を蹴破ってでもざくろの後を追い掛けようとしたが、門倉に引き止められ、生徒会室に連行された。 今日は日曜日ということもあり午前で解散予定だったが、一向に仕事が終わらなくて役員全員は生徒会室にてパソコンにかじり付いていた。 その中でも副会長という地位で他の者よりこなすことが何かと多い九流なのだが、朝のざくろの電話での一件で仕事が全く手に付かず、ずっと頭を抱えて机の上で突っ伏していた。 「猛・・・。心中察するんだけど、手、動かして?」 バサバサと無情にも九流のデスクにはこれでもかと書類の束が積み上げられていく。 「・・・・・悪い。やっぱ、帰る」 やっと顔を上げたと思えばあり得ないことを言う九流に対し、門倉が呆れたように溜息を吐いた。 「あのさ、諦めて仕事してくんない?西條も帰って来たらお前の部屋へ来るんだろ?その時にちゃんと話聞けばいいじゃんか」 「話?何の話聞くんだ?他の男とヤってきた話聞かせられて一体どうしろってんだよ!?」 眉間に皺を寄せて、凄んでくる九流に額を抑えて門倉は言った。 「あのさぁー・・・、ヤってないかもしんないじゃん?」 「ヤってる!男であいつと一緒にいてヤる気にならない奴がいるならそいつ不能だぞ!」 「・・・・・恋は盲目っていうけど、まぁ・・・確かに凄い惹きつける何かは持ってるよね、あの子」 腕を組んでざくろを思い出しながら頷く門倉に鋭い瞳を向けた。 「手、出したらお前でも殺すからな」 本気の殺意が感じられ、門倉は背中に冷や汗を流した。 「・・・本当に恋に落ちたんだね。あの子もまた幸か不幸か分かんないなぁ」 渇いた声で笑う門倉は幼い頃から九流を知っている。 何かお気に入りができると永遠それだけを大切にする九流は他には目が入らない。 良いのか悪いの・・・ ただ、だからこそ信用がおけた。 一度気を許した相手にはとことん付いてくるタイプなので九流が裏切ることはまずあり得ない。 九流が裏切る時、それは相手が自分を裏切った時だ。 今の所、ざくろが悪いわけではない。 九流がただ、ざくろへ求め過ぎていて二人のボタンがかけ違いになりそうなのだ。 「猛、ちょっと冷静になれよ。とりあえず、お前はここの仕事終わらせて、夜にはあの子も帰ってくんだから」 宥めるように門倉が言うと、クソっと悪態ついて近くのゴミ箱を蹴っ飛ばし、九流は乱雑に置かれた書類の束へ手を伸ばした。

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