32 / 229
第31話
「・・・くそ、また失神かよ」
舌打ちをし、ざくろから自身を引き抜いて九流はベッドから出た。
ざくろの謝罪からやっぱり自分を裏切ったのだと思うと九流は悔しくて、泣き叫び嫌がるざくろをボロボロになるまで犯し続けた。
か細い体は強過ぎた刺激に気を失っても未だ痙攣が収まらずビクビクと跳ねている。
うつ伏せ状態のざくろの体を乱暴に仰向けにし、結局一度も出すことを許さなかった根元の戒めを解いやった。
ドロドロとせき止められていた精液が溢れ出し、止め処なく流れ落ちてシーツを汚す。
その様を一瞥し、シャワーを浴びに行こうとした時、床に落ちていたざくろの携帯電話が鳴っていることに気が付いた。
液晶画面に大きく着信相手の名前が表示される。
ー あきら ー
あきらからだった。
九流は携帯電話を拾い、もうざくろに関わるなと言う為にその電話に出た。
口を開き牽制しようとした瞬間、耳に入ってきたのはざくろに少し似た女の声で九流は息を呑んだ。
『お兄ちゃん?今日はありがとうね。あのね、私、お兄ちゃんが貸してくれたハンカチ返すの忘れちゃってたんだけど、郵送したほうがいいかな?』
電話の主のあきらは相手がざくろだと勘違いしてツラツラと会話を続けた。
『急ぎじゃないならまた来月の日曜日に持ってくけど、どうする?郵送するなら明日するよ?』
九流はこの電話内容に頭の中を真っ白にする。
『お兄ちゃん?聞いてるー?』
返事がない事にあきらが少し大きな声で聞き返してきて、九流はゴクリと喉を鳴らした。
書籍の購入
ともだちにシェアしよう!