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第37話

食堂での出来事の日から九流はもう3日、ざくろに会っていなかった。 毎晩呼び出していた電話も鳴らさず、ただ悶々とざくろへどう謝罪するべきなのか悩んでいた。 昼休み、携帯電話を片手にざくろへ電話をかけるか、もしくはメールを打つか今日も悩んでいた時、同じクラスの門倉がニヤニヤ笑いながらやってきた。 「どうしたー?倦怠期?」 「・・・テメェのせいでこじれてんだよ」 吐き捨てるように言って、睨みつけると門倉は楽しそうに笑った。 「猛もそんな顔するんだね。本気で恋することはいいことだよ。特に猛は今まで遊びでしか付き合ってきてなかったでしょう?だからいい傾向だよね。貴重な体験だよコレ!」 上から目線の門倉にイラっとして舌打ちする。 「お前も遊びでしか女と付き合ってなかっただろうが」 「俺?うーん・・・。そうなんだけど、俺も実は天使に恋に落ちたんだよね〜」 あははと笑ってカミングアウトしてきた門倉に呆気に取られたが、九流は弾かれたように焦りだした。 「お前、まさか・・・」 「言っとくけど、西條じゃないよ!」 両手を上へあげて降参するような形で門倉は続ける。 「でも、西條と同じクラスの子なんだ。で、良い情報貰ったんだけど教えて欲しい?」 ニヒヒと悪戯っ子のような顔で聞いてくる門倉に視線を外して素っ気なく答えた。 「いらねぇ」 「あらら。西條の事なのになぁー」 そりゃ残念。っと門倉は口笛を吹いて去ろうとした時、ちょっと待てとその肩を掴んで引き止めた。 門倉はゆっくり振り返って苦笑する。 「食堂の件は俺も猛の性格知ってて嫌な意地悪して悪かったなって思ってるんだよ?だから罪滅ぼし・・・」 幾人もの女の子を落としてきた柔らかな笑顔で門倉は愛しい恋人から貰った情報を九流へ教えてあげた。 「西條、高熱出して寝込んでるんだって」

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