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第38話

ヤバイ・・・ 俺、体調崩した? 元々そんなに体調を崩さないざくろだが一度崩すと、とことん無しくずしのように悪化させる癖があった。 どうしよう・・・・ 参ったな・・・ 急いでベッドから出て、常備用の風邪薬を探す。 頭痛と寒気が酷くて今から熱が上がってくる兆候に、とりあえず総合薬を選んで水と一緒に錠剤を喉へ流し込んだ。 水を飲み込んだ時にズキリと痛む違和感に喉もやられたのかと顔を歪めた。 ここ最近あり得ないぐらいの疲労の中、気を失い食事もろくに取っていなかったことがどうやらこの不調がたたった原因であろう。 加えて、最近の出来事で精神的にも参っていた。 冷蔵庫を開けて栄養ドリンクとカロリーを補足するそのまま口をつけて飲み込むチューブタイプのゼリーを取り出し、喉の痛みに耐えながらとりあえず朝ごはん代わりにそれを飲んだ。 今日は学校を休もう 携帯電話を手に取り、学校へ電話を掛けて教職員に風邪だと告げて今日は休むことを伝えた。 その声は掠れていて、教職員もお大事にとすぐに了承してくれ、ざくろは電話を切るとベッドの中へ潜り込んだ。 早く治さなきゃ・・・ 自分を看病してくれる人間なんていない 自力で早く治さないと仕事にも支障をきたす そうなると妹に不自由させる 頭の中はそればかりで重い溜息が漏れる。 ピリリッと携帯電話が鳴って目を向けると、相手は九流からでメールが届いた。 今日会えるかどうかの内容にざくろは小さく息を吐いて、会えますとだけ返信した。 この3日間、先輩からの呼び出しがなかった。 3日もないのだから今日あたりあってもおかしくないはずと踏んでいたのが的中した・・・ 毎日呼び出していたのに、3日も休みを与えてくれた九流に求められたら嫌とは流石に言えず、ざくろは体を開くつもりだったがいかんせん、体調が優れない。 それに加えて九流との微妙な距離感というかギクシャクとした空気は拭い去れていなかった。 更に九流の怒りの解決が出来ていない。 恐らく、あきらが原因なのだろう。 あきらを男と勘違いしていて、自分がその男に体を売っていると勘違いされたのだろうが、それは違うと説明したいのに九流は聞いてくれない。 あきらの名前を聞くのすら嫌そうだった為、なんて説明すればいいのか困り果てていた。 とりあえず、この説明もあることから何としてでも体調を整えて、九流と会わなければと重い瞼を閉じてざくろは養生に専念することにした。

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