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第40話

「ざくろ君、寝込んでますよ」 昼休み、綾人がお弁当を持って門倉の元へ昼食を誘いに来た時、九流がざくろの事を聞くと不安が的中する答えが返ってきた。 学校も休んでいて高熱を出していると聞いて九流は昼ご飯も食べずに教室を飛び出し、寮のざくろの部屋へ走っていった。 あの野郎、ぶっ倒れてんならぶっ倒れてるって言えよな 苛立ちが募る中、寮へ帰る道にあるコンビニへ立ち寄る。 どうせ飯も食ってねぇんだろ 九流はカゴを手に取り大量のおにぎりやサンドイッチ、プリンにゼリーにお菓子にアイス、ジュースにお茶と目につくもの全てをカゴへ放り込んでいった。 レジで会計を済ませ、急いで寮へ戻りざくろの部屋の前に立つ。 「・・・・・くそ」 扉の前に立ち、九流は立ち竦んで舌打ちした。 初めてのざくろの部屋への訪問に馬鹿みたいに緊張している自分に苛立った。 小さく深呼吸すると九流はノックすることもせず、管理人から奪い取った鍵で扉をバンっと乱暴に開いた。 「あつっ!!」 もう7月だというのに冷房も入れてなくて、蒸し暑い室内に九流は眉間に皺を寄せた。 少し離れた場所にベッドがあり、その上で頭まで被っているのか膨らみを帯びた布団の塊が転がっていた。 「おい!死んでねぇだろうな!?」 焦った声を出して、ベッドへ近づき布団を剥ぐとビッショリと汗をかいて真っ赤な顔をして眠るざくろがいた。 ざくろの額へ手を当てると物凄い高熱な事を知り、九流は急いでエアコンを付け、ざくろの服を脱がせて汗をタオルで拭いてやった。 プラスチックの箱の中から短パンとTシャツを出して着せてやり、持ってきたスポーツドリンクをコップへ注いで口元へ運んだ。 少しでも水分を取らせたいのに意識がないざくろは人形のように眠っていてピクリとも動かない。 何度揺すっても、頬を叩いても起きないざくろに埒があかないと、コップの中の飲料水を口に含み、九流は意識のないざくろへ口付けすると同時に口に含んだ飲料水をゆっくりと確実に飲み込ませていった。

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