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第43話

え?しないの? じゃあ、先輩何しに来たんだろう? 何やら沢山買ってきたものを冷蔵庫の中へ投げつける九流を見つめて困惑した。 倒れたと知って、今日できるか心配で来たとばかり思っていたが、しないならどうもそれも違うのだろうか? 大量の食材をわざわざ持ってきてくれた事実だけに、申し訳ない気持ちだけが胸の内を満たす。 「・・・・・あの、俺なら大丈夫ですよ?」 もう一度、しないのか確認がてら声をかけると九流が睨みつけてきて怒号を放つ。 「寝ろっつってんだろうがっ!!!」 ビクンっと大きな声に体を竦ませて、恐怖のあまり布団を頭まで被って目を閉じた。 こ、怖っ・・・ めっちゃ怒ってる なんで? したくないのに無理やり誘ったから? それなら・・・・ 確かに申し訳ない・・・・ 自分の思い上がりにキツく目を瞑って反省した。 暫くして、そっと布団の隙間から顔を出すと九流は携帯電話を片手にベッドのすぐ側の床に座っていた。 帰らないのかな? 不思議に思っていると九流は振り返りざくろを見た。 また怒鳴られると捲った布団を再び被って身を硬くすると、布団越しにそっと頭を撫でられ、心臓が跳ね上がった。 「悪かった・・・・」 ポツリと呟くように謝ってきた九流に布団の中で固まる。 「布団、取っていいか?」 優しい声だが少し恐怖心は残るものの、そっと布団をめくって九流を見た。 「日曜日の事、悪かった・・・。ごめん」 「・・・え?」 「あきらって妹だったんだな・・・・」 真摯に謝罪してくる九流に目を瞬たかせる。 「先輩?」 「あきらって名前だから男って勘違いした。本当にごめん・・・。嫉妬した」 ・・・・・嫉妬? 謝ってくる九流に、何に対して嫉妬していたのか分からなくて頭を混乱させる。 頭痛も激しく、考えるのも億劫で視線を反らした時、九流の掌が頬を撫でて耳を疑う告白をしてきた。 「お前のことが好きだ・・・」

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