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第44話
「・・・・先輩、熱あります?」
心配気に聞いてくるざくろに九流は眉間に皺を寄せる。
「お前がな」
額を押さえつけられた少し冷たい九流の掌にざくろは目を閉じた。
あ、なるほど!
俺、熱出しててそれでこんな夢をみてるんだ
納得!
「ざくろ、夢じゃねーからな」
牽制する声が頭上から降ってきて瞳を開いた。
少し頬を赤くして睨みつけてくる九流と目が合いざくろの瞳が揺らぐ。
「え?」
「だから、好きだっつってんだよ」
「・・・・・はぁ」
「俺と付き合え。・・・いや、付き合ってくれないか?」
ゴクリと喉を鳴らして真剣な顔で聞いてくる九流に目を見開いた。
「せ、先輩?俺の風邪移ってません?大丈夫ですか?」
この告白がどうしても信じられないざくろは慌てて上体を起こし、九流の額へ掌を当てた。
「あのな、俺は至って健康だよ」
「なら、自分が言ってることおかしいって分かるでしょ?」
「おかしい事なんて言ってねーよ。お前に惚れてるって言ってんだろ。一目惚れだ。バカっ!」
全力で否定されて悲しい分、好きだ惚れたと何度も懲りずに言ってる自分に照れが生まれて、口調が乱暴になる。
「俺と付き合ったらとことん甘やかしてやる」
「甘やかしてって・・・」
ハハッと力なく笑うざくろの頬を九流は優しく撫でた。
「なんだよ。今からでも甘えていいんだぜ」
「え・・・っと、甘えるってどうやって?」
戸惑うざくろの返答に九流は呆れた。
「それは・・・・」
口を開いて答えようとしたが九流もなんて言えばいいのか分からなく口を閉ざしてしまった。
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