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第59話

「ざくろの妹ってどんな子なんだ?」 今日は九流の手加減もあってかざくろは気を失わずに済んだ。 身支度を整えて帰ろうとした時、今日は泊まっていけと言われ、命令なのか分からなかったその指示に従う事にした。 シャワーを借りてキングサイズのベッドへ横たわりうとうとしていると九流に包み込むように抱きしめられて、不意にあきらの事を聞かれた。 「お前に似てる?」 「外見も内面も似てません。普通の子ですよ」 「それは残念」 「残念?」 九流の言葉にどういう意味か、不思議そうに顔を上げると優しい笑顔とぶつかった。 「お前似なら明日のデートは両手に花だろ?」 「・・・・・」 無表情で黙り込むざくろに九流は首を傾げる。 「どうした?」 「・・・・・いえ」 俯いてざくろは瞳を閉じた。 「眠いか?」 コクンと頷くともう寝ろと優しい声で囁やかれてざくろの心がざわざわと騒ぎ始めた。 ・・・・あきらに興味あるのかな? 会いたいっていうぐらいだもん あるんだよね? 体は疲労で眠たいはずなのになかなか寝付けなくて身じろぐと、九流の手が子供をあやす様に自分の背中をトントン叩き始めた。 思いのほか、その行為はとても安心するものでざくろの心のモヤモヤは薄らいでいった。 気付けばスースー寝息を立ててざくろは夢の世界へ飛び立っていっていた。 九流はそんなざくろの頭に愛おし気にキスを落として、瞼を閉じた。

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