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第70話
やっぱり先輩は優しい
だから気が迷ったんだ
俺と体の関係持ったから情に流されたんだろう
外に出ると先輩には可愛い女の子の知り合いが沢山いてあんなに綺麗な女性から声も掛けられるんだ
お互い確認出来て良かった
俺も変な独占欲とか生まれる前で良かった・・・
「いや・・・、ちょっとは独占欲持っちゃったかな?」
女の子達に少しモヤモヤした自分を思い出してざくろは苦笑した。
良かった
今日一緒に出かけなかったら知らない間に変な独占欲が大きくなって惨めになるところだった
自分が惨めになるだけならまだしも、九流に迷惑をかけるとこだったと思うと恐怖を感じた。
「専属契約って怖いな・・・」
複数の客を相手にしているときはこんな感情が生まれることはなくて、ざくろは身に染みる。
今後はどれだけお金を積まれても専属契約する事は止めようと心に誓った。
どれくらい歩いたのか駅一つ分に到着した時、己の体力不足に溜息が出た。
足が痛くて疲れてしまった。
「ちょっと休もうかな・・・」
近くの木陰で涼をとり、手でパタパタと自分を扇ぐ。
喉は乾くし暑くて疲れた。
でも、空を見上げて九流を思うと笑顔になれた。
先輩、あの綺麗な人と上手くいくといいな
美男美女でお似合いだったな・・・
胸がツキツキと痛みはするが、これは変な独占欲がもたらした一時のもので九流が幸せになるならこんな痛み気にかける必要もないとざくろは見て見ぬ振りをした。
「さてと!歩こう」
少し涼んで足の痛みも回復したざくろは残り4駅と足を進めた時、怒鳴り声とも取れる九流の声が聞こえて振り返った。
「ざくろ!!!」
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