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第74話

「お兄ちゃん、おっそーーーいっ!!!」 噴水前で仁王立ちしてプンプンと怒る妹のあきらにざくろは両手を合わせて謝った。 「ごめん!」 「もうっ!携帯も繋がんないし何かあったのかと思うじゃないっ!」 「ご、ごめん!!」 あきらは拗ねるように頬を膨らませざくろを責めながら抱き着いた。 「んー。お兄ちゃん、なんか今日お洒落してて可愛いー」 べたーっと全力で甘えながらひっついてくる妹にざくろはよしよしと頭を撫でて抱き締め返す。 その一連を見つめていた九流はそんな二人を凝視した。 ・・・・兄妹だよな? 兄妹ってこんな甘え方すんのか? 男兄弟しかいない九流は妹という存在がいまいち理解出来なくて目を瞬かせる。 「あきら、こちら九流先輩。前に少し話したろ?」 優しく笑いながらあきらを自分の体から離して九流を紹介した。 「こんにちは。お電話で少しお話しましたよね!いつも兄がお世話になっております。妹のあきらです」 「・・・電話?」 「あれ?聞いてないの?この間、ハンカチ渡し忘れたって電話したの」 鞄から紺のハンカチを取り出し、あきらはざくろへ手渡した。 「あ!これ、探してたんだ!あきら、ありがとう」 ハンカチを受け取り、ズボンのポケットへ直してざくろがお礼を言う。 それに対してあきらは頬を赤くして、小さくぴょこぴょこ跳ねた。 「先週も今週も会えるなんてラッキー!嬉しいよ〜」 ざくろの腕へ自分の腕を絡み付けて体を擦り寄せるあきらに九流は今日甘えてきたざくろの行動に合点がいった。 どうやらあきらがいつも甘えてくる行動を真似ていたのだ。 九流はその様子を見て意味深に微笑んだ。

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