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第81話

「何に怒ってんのか素直に吐け」 凄みを帯びる声で言われ、唇を噛み締めると九流はそれを止めさせるように指で唇を開かせた。 怖いような甘いようなよく分からない雰囲気にざくろは黙り込んでしまう。 そして少し時間が経った時、本当に冷静さが欠けていたことに気付いたざくろは反省に陥った。 妹を褒めて、自分に足らないものを教えてくれた九流に大声を出して喧嘩を吹っかけた。 頭を冷やすと信じられないぐらい自分勝手な失態に涙が浮かぶ。 「・・・ごめん・・なさい・・・・」 素直に謝って九流の手を自分から外させるとざくろはもう一度謝った。 「先輩、すみませんでした・・・・」 九流は小さく息を吐くと少しキツイ声で聞いた。 「何に対しての謝罪なんだ?」 頭の中が真っ白になったが、ざくろは心の中で思うことを素直に伝えていった。 「・・・あきらの事、褒めてくれてるのにごめんなさい。俺に足らないものがあるのを教えてくれてるのにごめんなさい。あと、今日はたくさんお世話になったのに・・・っ・・」 涙が出そうで言葉が詰まり、口を閉ざすが九流はそれを許さなくて続きを催促する。 「で?たくさんお世話になったのに、何?」 「・・・・た、たくさんお世話になったのに、俺、俺・・・・感じ悪くてすみません。なんか、よく分かんない・・・・もう、関わんないで・・・・」 両手で顔を覆ってざくろは泣きながら九流へ頼んだ。 「せ・・・専属、解約したい・・・。それが無理なら、優しくしないで・・・ください・・・」 肩を震わせ涙を流すざくろへ九流は困ったように息を吐いて聞いた。 「なんで優しくされたくないんだ?」 「・・・・自分の立ち位置がブレるんです。分をわきまえられなくなる」 ざくろのその言葉に、九流は覆い隠す顔から両手を掴んで引き離した。 そして涙に濡れる漆黒の瞳を見て怒鳴った。 「ふざけんなっ!何が立ち位置だ!分がわきまえるだ!俺が聞きてぇのは、俺に優しくされてお前は嬉しいのか嬉しくないのかってことなんだよ!」 自分を見つめてくる瞳は驚きに満ちていて、九流はそれがまたムカついて口を開いた。 「好きだって言ってんだろ!俺はお前に優しくして優しくして優しくし尽くして、お前にベタベタに甘えてもらいたいんだよ!俺の事、好きになって欲しいんだよっ!!」 「・・・・・」 怒鳴るような告白にざくろは固まる。 そんなざくろを舌打ちと共に九流は掻き抱いた。 「頼むから俺のモンになれ!大事にしてやるから!大切にしてやるから!どんなワガママだって聞いてやる!だから・・・・・」 九流は掠れる声で切に願った。 「俺のこと、好きになれ・・・」

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