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第94話

side 九流 情事を終えた後、襲い来る睡魔に勝てずざくろはそのまま九流の腕の中で眠りに落ちた。 九流は脱力するざくろの体を綺麗に後処理してやると、ベッドへ寝かせてシャワーを浴びにいった。 最近のざくろはとても従順で可愛く自分の中で愛おしさも膨らむばかりなのだが、やはりどこか一線を引かれたよそよそしさを感じていた。 しかし、これも性格だと言われてしまえば何とも言えず黙るしかできない。 何か言いたい事があるなら言って欲しい ざくろとは対等でいたいと願えば願うほどその均衡は明らかに違っているように感じて胸が苦しかった。 「もっと甘えてきたらいいのに・・・」 シャワーに打たれながらボソリと本音を吐くと同時に溜息も漏れた。 好かれてるのは分かる 自信もある でも、気を許しては貰えてない 信頼されてないのだと痛感する 九流はシャワーを止めてタオルで体を拭き、部屋着に着替えるとベッドで眠るざくろを見てまた一つ溜息が出た。 どうしたらあいつの身も心も手に入れられるんだろう・・・ 漠然とした疑問に九流は苦笑してベッドへ近付き、ざくろの白く柔らかな頬を撫でた。 かわいい・・・ 本当に綺麗だな 人に見惚れた事なんてなかった九流だが、永遠とざくろを見つめ続けれると思った。 欲しい こいつの全てが 身体だけじゃ足りない 心も全てを手に入れたい その為に一体どうすればいいのか九流はまた一から考える。 途方もないループに頭を悩ませて、とりあえずざくろを抱きしめて眠る事にした。 side 九流 終わり

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