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第111話
「ここが俺の部屋。二人共リラックスしていいから」
扉を開かれて、二人は会釈しながら中に入った。
部屋はとても広く、西條家のリビングほどあり二人は驚愕する。
上質なソファを指差し、座るよう勧められてざくろ達は九流と一緒に腰を下ろした。
「あ!ここのチョコ、好き!よくお兄ちゃんが買ってくれるやつだぁ」
あきらがテーブルの上にあった知ってるお菓子に笑顔になる。
「好きなだけどうぞ」
目を輝かせるあきらに九流がチョコレートの箱を開けてやる。
「わーい!ありがとうございます!!」
嬉しいとチョコレートを手に取り頬張るあきらは美味しいと笑顔を溢した。
対するざくろは緊張からか、九流がチョコレートを差し出しても首を横へ振るだけで固まってしまった。
満足するまでチョコレートを食べたあきらは広い室内を物珍しそうに見回した。その姿にざくろがすかさず注意する。
「あきら、失礼だからジロジロ見ない!」
「あ、ごめんなさい!」
言われて確かにその通りだと俯くあきらに九流が苦笑しながら何かの箱を取り出した。
「別に好きなだけ見てもいいよ。それよりこれ、あきらちゃんに」
「え?」
箱を開けて中身を見るとあきらの顔が興奮で紅潮し、笑顔になった。
「ディズニーのスペシャルDVDボックスだぁぁー」
「何処にも売ってないって言ってただろう?偶然知り合いに顔のきく人がいて手に入ったんだ。プレゼントするよ」
「えー!本当にいいんですかぁ!?嬉しいぃー!!」
DVDを抱き締めて絶叫するあきらにざくろは目を瞬いて驚いた。
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