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第115話
恥ずかしい・・・
やっぱり来なきゃ良かった
最初から来るべきじゃなかったんだ
浮かれ過ぎて相手の迷惑を考える事が冷静にできなかった
先輩はあきらを楽しませてあげようってしてたのにおまけの俺がのこのこ来るから変な気も遣わせたんだ
情けない・・・
先輩の気分も害させたし本当に申し訳ない
このケーキも馬鹿みたいに作ってはしゃいだ自分が恨めしい
楽しみにし過ぎてしまった自分が恥ずかしくてざくろは詰めていた息を吐く。
あきらの事、どうしよう・・・
連れて帰るのがいいのかざくろは悩んだ。
九流とあきらは仲が良い
気が合うのか甘え上手なあきらに九流はいつも優しいし自分の知らない所でも話が弾んでいるようで心がモヤモヤした。
しかし、直ぐに我に返ってその感情を払拭するようにざくろはぶんぶん頭を横へ振った。
嫌だっ!
俺、本当浅ましいっ!!
妹に嫉妬しているのかと思うと自分自身に吐き気がするほど嫌悪感が募って目に涙が浮かぶ。
とりあえず屋敷を出ようと来た道を進み、玄関の扉を開こうとした時ざくろは後ろから声を掛けられ足を止めた。
「あれ?猛のお友達?もう帰るの?」
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