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第138話

「あっあっ・・・んンッ・・・・・せ、んぱ・・・イク・・・、もう・・・」 九流は何度目か分からない絶頂を訴えるざくろをかき抱いて低い声で答えた。 「ん、俺もイく・・・」 腰の動きを早める九流の肩へしがみつき、快楽の波にざくろは叫んだ。 「アッアッアッ・・・きもちい・・・、イく、出ちゃうぅ・・アッアァァァンンッ・・・っ」 絶叫と共に達するざくろに九流も低く呻くと最奥の壁へ欲望を放つ。 幾度となく注がれた九流の精液は全てを飲み込むことは不可能で、ざくろの中から溢れ出た。 かろうじて意識を保つざくろに柔らかなキスを落として汗で濡れた髪を指で梳いてやった。 「一緒に風呂に入るか?」 優しい声で聞いてくる九流に瞳を閉じて小さく頷く。 「お前は本当に可愛いな・・・。寝てろ。後で俺が入れてやるから」 もう半分以上意識のないざくろの頭を撫でると、そのままスーッと意識を手放すように眠りについた。 ざくろの体をとりあえず綺麗にしてやり、九流はシャワーを一人で浴びた。 湯船にゆっくり浸かりたいとも思ったが後で一緒にもう一度入るならシャワーでいいと手早く汗を流し、部屋へ戻った。 腰にバスタオルを巻いて、濡れた前髪を鬱陶しそうにかき揚げながらベッドの上でスヤスヤ寝息を立てるざくろを見て笑みが溢れた。 俺のもんだ・・・ やっと手に入れた 眠るざくろへ手を伸ばす。 ざくろの心の傷はまだまだ癒えきれず、愛情を素直に受け取れなさそうだがゆっくり教えていきたいと思った。 依存する事が必要なら俺に依存したらいい 決して手放さないから 大事にして愛してやる 伸ばした手で汗が乾いたざくろのサラサラの黒髪を撫でながら、九流は愛おしむように囁いた。 「大切にするからゆっくり俺に溺れろ」

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