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第140話
久々の自分の部屋は九流がプレゼントしてくれた白を基調とする家具達で華やかだった。
少し埃っぽさを感じ、急いで部屋の窓を開けて換気し、掃除を始めた。
やっぱり、ちゃんと自分の部屋に戻った方がいいよね
こんな立派な家具も使わなきゃ勿体無い
掃除中、中でも一際目立つ大きなベッドにざくろは勿体無さを感じた。
九流のもの同様、とても寝心地の良い寝具は驚くほど高額なもので地が貧乏なざくろは使い込まなくては損だと意気込む。
「今日からちゃんと部屋に戻ろう」
自分の部屋の掃除を終え、ベッドへ横になると寝心地の良いベッドに瞼が下りて眠ってしまった。
ハッと目覚めた時には昼の1時を過ぎた所で慌てて飛び起きる。
「先輩が戻ってくる!」
以前、今日のように九流が学校へ行ってる時、暇で寮内を散策し、九流より帰宅が遅くなったらえらく心配された。
人に心配されたことのないざくろからすると有難い気持ちと申し訳ない気持ちに苛まれて歯痒い思いをした。
何より九流が悲しむ顔を見たくはなかった。
その教訓から九流に変な心労を掛けたくなくて、ざくろはベッドから急いで飛び下りた。
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