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第147話
「難易度低めって例えばどんなの?」
真面目な顔で聞くざくろに三人は口々に好き放題言い募っていった。
「長距離移動をいきなりお願いする。とか!」
「洋服選びに何店舗も連れ歩いて良く似た服を両方欲しいって駄々こねる。とか」
「ありきたりに高めのレストランで食事したい。とか」
な、なるほど・・・
不必要かつ無駄な要求な為、思いつきもしなかったことに、自分と女の子の感覚はやっぱり違うんだとざくろは納得しながら、持ってきていた紙に言われたことを書き込んでいった。
1時間ほどあれこれ模索し終えたあと、メモ帳を閉じるとあきらがにこりと笑う。
「ねぇ!ちょっと、実践してみよっか!」
あきらと待ち合わせをするいつもの噴水広場でざくろは三人に置き去りにされてしまった。
嘘っ・・・
なんでこんなことになってんの?
ナンパしてくる男と笑顔で会話してこっ酷く振る
と、いうミッションを受け持ったざくろは顔面蒼白で足が震えた。
こんな、女装した男に声なんてかかるわけ無く、ずっと待つこと5分。
少し離れた場所にいる三人に助けを求める視線を向ける。しかし、三人はもう少し待てと首を左右へ振って助けてくれそうにない。
みっともなくも半泣きになっていると突然後ろから声をかけられざくろは振り返った。
「やっべ!すげぇ、可愛い!!」
「本当だ!ねぇ、お茶しない!?」
声をかけてきたのは二人組の男で、突然の事態にざくろは慌てふためいた。
男にこうして、声を掛けられるのは別に始めてではないし、売りをしていた時にはよしきたと意気込んでいたが今は女装していて、相手を罵るミッションのせいか緊張と困惑に見舞われていた。
「い、いえ!結構ですっ!」
「なんで、なんで?ご馳走するからさ!」
「なんでも好きなの買ったげるよ!」
細い二の腕を掴まれ引きずるように連れて行かれそうになるざくろをこりゃ駄目だと影から見ていた三人が駆け寄ってくる。
「なんでも買ってくれるなら、でっかいダイヤの指輪買ったげて」
「ご飯もホテルの最高級コースよろしくー」
「あんたら程度の顔面じゃこの子に見合わないからあと、5人はイケメン揃えてね」
男の手からざくろを引き剥がすと、背に庇うように男達の前へ立ち、女三人は恐ろしい注文をナンパ男達に告げた。
声を掛けてきた二人も何かの危ない引っ掛けかと思ったのか、隙をみて逃げるように去っていった。
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