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第149話

「ち、違っ!違います!ってか、先輩なんで!?」 頭を両手で抱えて大パニックを起こすざくろを九流は後頭部を掴んで自分に引き寄せ乱暴に口付けた。 「ひゃっ!・・・んむっ!!」 流石に舌は入れてはこなかったがざくろの唇をベロリと舐めとってから九流は体を離した。 ここ一帯の視線を二人は釘付けにするとざくろは顔を真っ赤にして俯く。 「あきらちゃんにお前の写メ付きで呼び出された。意味が分からなくて来てみたら、なにナンパ待ちしてんだよ?」 「写メ!?」 九流の言葉に叫ぶと、携帯電話でメールと添付写真が見えるように掲げてきた。 ざくろはその写真に更に赤面する。 カラオケの個室でやたらと写真を撮っていた内の一つらしくジュースを飲む自分の姿が映っていた。 「け、消して!消してください!!」 携帯電話に掴みかかろうとした時、九流はヒョイっとその手を交わしてポケットの中へ直してしまった。 「ってか、あきらが呼んだんですか!?」 キッと三人が隠れている建物の影を睨みつけたら、あきらはビクっと体を竦ませて隠れた。 そして、残り二人は予想外のイケメンが来たと目をハートにして九流へ見惚れていた。 「あきら!こっちに来て!!」 怒鳴り声とも取れる声でざくろが叫ぶとあきらはえへへと笑いながら気まずそうに駆け寄ってきた。 「ご、ごめんね〜。九流先輩にも声かけてあげたら喜ぶかなって」 言い訳を口にする妹を睨むと、それを庇うように九流はあきらの頭をポンポン叩くように撫でた。 「連絡ありがとうな。こいつ、そろそろ連れて帰るわ。ちゃんと帰れるか?」 「はい。友達もいるし!じゃっ!お兄・・・、お姉ちゃんのこと宜しくお願いします!」 友達がいたことを思い出し、言い直すあきらはピシッと敬礼したあと、ざくろを避けるよう友人の元へ走っていった。 「ちょっと、あきらっ!!」 文句があるざくろはあきらへ声を張り上げるが、後ろから九流に抱きしめられ、それを阻止された。 「兄妹喧嘩は後にしろ。まずは俺の機嫌取りにお前は専念しろよ」 耳元で怒りに満ちた声色で囁かれてざくろはピシリと動きを止めた。

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