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第151話

「ざくろ、何食べたい?」 九流の質問に今日の1日の教えを頭の中に巡らせた。 「え?えっと・・・」 なんでもいいは絶対禁句! この教えが頭の隅でガンガン主張してきて食べ物の事をグルグル考えているとふと、みほの言葉が頭に浮かんだ。 『男じゃ選ばない女子力高めの店や自分が好きなものをゴリ押しするべし!』 女子力高め! って、俺、女子じゃないし! 好きな物! 好きな物ってなんだろう? 「ざくろの好きなもん食いに行こうぜ?」 頭の中をフル回転させていると、肩口まである黒髪のウイッグを指先で弄び、九流は優しい笑顔で見つめてきた。 うっ・・・ カッコ良すぎて胸が痛いっ! ギュッと心臓付近を鷲掴んだとき、自分の格好にざくろはサッと青ざめた。 「ふ、服!先輩、先に着替えさせて下さい!」 自分が女装している事を思い出し、この格好は嫌だと主張すると九流は意地悪な顔で笑った。 「飯、食ってからな」 「えぇー!この格好で!?先輩、変態だと思われますよ!?」 「思われねーよ。ってか、お前他の男にこれ以上声かけられんなよ。っで?何食うんだ?」 首を傾げて聞かれ、今度はあきらを思い出す。 「パスタがいいです!」 いつも何かとパスタが食べたいと言うあきらに習って答えると九流は携帯電話を取り出した。 「イタリアンね・・・」 おもむろに電話をかけると行きつけの店があるのか九流は二言三言、話しをしてから電話を切った。

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