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第153話
side 九流
クソ・・・
これ、本当に人間か?
可愛い、可愛い、可愛い、可愛いっ!!!
生徒会の仕事をしている最中、携帯電話が鳴った。相手はざくろの妹からで、急いでメールを開封した。
今日はざくろが妹と会うと言っていたことから、何か事故や事件にでも巻き込まれたのかと焦ったが、開いたメールにはどストライクな好みの女の写真が添付されていて、心臓が高鳴った。
自分には愛してやまない恋人がいるのに動揺する自分に焦っていたら、写真の下の文字でその女がざくろと記載されていた。
写真の中のざくろは本当に美少女そのもので人形のように愛らしい。
そんな写真と全く同じものが自分の目の前に座って、微笑む姿に九流の心拍数が上がった。
抱きてぇ・・・
愛らしさと同じぐらい艶めかしい色気を放つ雰囲気に九流はもうメロメロだ。
ジュエリーショップでもこのレストランへ来る途中も、そして食事をしている今も視界に入る全ての人の視線をざくろは奪い取っていく。
自分もまた視線を奪われ、動揺する情けない一人なのだが、少しでも余裕がある姿を見せたい一心にざくろの後方の席の客達を見ることで心を落ち着かせていた。
「でね、先輩!今日、あきらが友達を紹介してくれて・・・」
今日の出来事を嬉しそうに話してくる姿が眩しすぎて再び視線を外すと、ざくろは眉間に皺を寄せ不思議そうに九流の視線を追うよう、後ろを振り返った。
そこには女性同士で食事を楽しみにきていた客がいて、プクっと頬を膨らませ上目遣いで九流を責める。
「先輩っ!他の女の子見るのダメ!!」
ズキュンっと心臓を見えない何かで撃ち抜かれる衝撃に九流は額を押さえて俯く。
「お、おまえ・・・・・、今日一日で色々習得し過ぎだろ・・・」
ヤバい、殺される
可愛すぎて死ねる
あきらから今日、何かしらレベルアップしているとの事を聞いてはいたがレベル1から既にレベル30には成長しつつあるざくろに感激した。
side 九流 終わり
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