「な・ん・の・騒ぎかなぁ〜？？」 部屋へ戻りたくても九流の周りにも人が集まり、身動きが取れなくて二人は右往左往した。 その時、パンパンと手を叩く軽快な音と声にその場が一瞬で静まり返る。 九流とざくろ、寮生達はその声の主へ視線を向けると、そこには優雅な笑みを浮かべるこの学園の生徒会長でもあり、寮長でもある九流の親友の門倉が立っていた。 「あれれ、これはこれは西條？また可愛らしい格好して。猛に強要されたの？」 楽しそうに笑顔で聞いてくる門倉に違いますと首を左右に振って答える。 門倉は腕を組んでざくろのことを上から下まで視線を這わせたあと、にっこり微笑んだ。 「だよね。猛の好みの服じゃない。っで？そんな格好してどうしたの？」 「・・・色々ありまして」 まさか、九流好みの甘え方を聞きに妹とその友人達と女子会していました。とは言えず、言葉を濁すと門倉が溜息交じりに忠告した。 「まぁ、趣味なら文句も言えないけど、あんまりそんな格好でこいつら刺激しちゃダメだよ？襲われても文句言えないよ？」 ざくろにもだが、最後の言葉は九流を見ながら門倉が告げる。 「今後は気をつける」 憤然と言い放つ九流は周りの視線を一身に受けながらも、ざくろの腕を引いて部屋へと戻っていった。 「お前、今後は俺の知らないとこでこんな格好すんなよ」 部屋へ戻るなり九流はざくろをソファに座らせ、困ったように言う。 「・・・はい」 素直に頷いて、自分の起こした騒ぎにざくろは反省した。 伏せ気味の瞼が長い睫毛を揺らし、赤い唇が官能的で九流は唾をゴクリと音を立てて飲み込んだ。視線をもう少し下げると白い太ももが目に飛び込んできて目の毒だと顔を上げて目を逸らした。