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第166話

side 西條 京介 手元の100万と投げつけられ床に散らばった10万円を見て、ざくろとあきらの父親である:西條 京介(さいじょう きょうすけ)は上機嫌にお札を拾い上げた。 「京ちゃんの息子君、美人でびっくりしちゃった〜」 「あんな可愛い子ちゃん、なかなか見ないからガン見したわぁ〜」 「娘ちゃんとは全く似てないのね」 三人の女達は京介に媚びるようにベタベタ体を触ったり肌をくっつけながら話す。 「俺もあんなにあいつが稼ぐ美人に成長するとは思ってなかったな。こんな事ならもっと優しくして懐柔しておくんだった」 なんとも勿体無い事をしたと呟く京介は玄関から大きな声で自分を呼ぶ客に顔を上げた。 「やべ!忘れてた」 焦って、女達を振り払い玄関まで走っていく。 「鈴木さん、すみません。今回は・・・」 「西條さん!あの美人っ!!あの子、誰です!?」 今回はキャンセルして欲しいと口を開いた京介の言葉を遮って、鈴木という男は目を輝かせ、ざくろのことを聞いてきた。 「俺の息子ですよ」 「息子!?女の子じゃないんですか!?」 興奮気味に聞いてくる客に残念そうに笑って頷く。 「そうなんですよ。全く、性別間違えて生まれてきやがった奴で。男なんで用無しなんです」 肩を竦めて笑うと鈴木は肩を掴んで距離を縮めてきた。 「男の子でもいい!5万!いや、10万出す!!」 興奮から顔を赤くして必死の形相で頼み込んでくる鈴木の言動に京介は目を丸くする。 まさか、女のあきらより男のざくろにこれほどまでの値がつくことに驚いた。 「・・・男ですよ?」 再度確認するが、鈴木は財布を取り出し、中から10万円抜き取って京介に手渡した。 「お願いします!あんな綺麗な子、生まれて初めて見ました!!」 京介は一瞬驚きはしたものの、差し出されたお金を前にすると、至極楽しそうに笑いながら頷いた。 「分かりました。準備が整いましたら、また連絡しますね」 side 西條 京介 終わり

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