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第180話
高校へ入って2年目の春、今年の一年にやたら綺麗な子が入学してきたと学園中が大騒ぎになっていた。
九流も門倉もたいして興味もなければそんな騒ぎに耳を貸すこともなかった。
そんなことより、連日の九流の女遊びの尻拭いに追われている日々を過ごしていた。
自分を可愛がってくれていた先輩が卒業し、生徒会長になった門倉は生徒会の仕事にも追われていて目が回る毎日を送っていた。
そんな時、西條 ざくろが生徒相手に体を売っていると生徒会のご意見番へ寄せられる。
好きで体を売ってて金で買う奴も了承済みなら問題ねぇだろ
門倉の率直な見解だ。
基本、自分に害がなければ気に留めない性格のおかげでざくろの一件は常に後回しになっていた。
そんな矢先、生徒会副会長の九流へ女遊びをする暇があるなら生徒会の仕事をしろと説教を垂れている時に階段下で西條 ざくろとばったり対面してしまった。
綺麗だと素直に思った。
妖艶で美しく魅力的で一瞬、呼吸が止まりさえもした。
自分が我を取り戻せたのは九流の西條をけなす一言だ。
フォローを入れると同時に幼馴染みへ視線を向けた瞬間、門倉は察してしまった。
幼馴染が恋に落ちたのを・・・・・
ざくろは自分を貶すだけ貶した九流にも始終笑顔でとても我慢強く慎ましかな性格を見せた。
悪い印象ではなかったが良い印象でもなかった。
人として怒りというものが欠落し過ぎていて覇気も感じない。
その空気感はとても居心地がいいような悪いような、よく分からないものだったがハマると病みつきになりそうな魅力に門倉は警戒した。
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