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第207話
もちろん、薬がそれだけで切れる訳がなくてざくろのものはそそり勃ったままだった。
九流はざくろが吐き出した精液を指に絡めると未だ衰えないそれに塗りつけ、上下に扱き始めた。
「あっ、ふぅ・・・はあ、ぁあ・・・・・イ、いい・・・気持ち・・・いいっ・・・・・もっと・・・・」
腰を浮かせ、合わせるように腰を振るざくろはとても淫靡で九流の怒りを色情へ移行させていった。
「どうして欲しい?」
「ヒャぁんン・・・、イ、イかせてぇ・・・イかせて欲しいっ」
グッと根元を握りしめ、先端へ親指の爪を食い込ませるとざくろはビクッと背中を反らせて焦らされる恐怖に身を震わせた。
「別れたい相手にもこんな風に強請って恥ずかしくねーのか?」
本音は今すぐにでもざくろを壊すほど抱きたいが、なけなしの理性が九流のプライドを保たせた。
「だって・・・、変っ・・・・から、だが・・・アァッ・・・・先輩っ、先輩・・・イかせて・・」
もう訳が分からないざくろはひたすら九流へ縋った。
九流は空いてるもう片方の手でざくろの髪を梳き、涙で揺れる瞳を見つめながら熱に荒れ狂う体から手を引いた。
「俺と別れるなら抱いてやらねぇ」
「やっ!やだぁあぁっ!!!」
「だったら別れるなんて言うな!」
半狂乱に叫んだざくろに九流が怒鳴りつける。
ざくろは震える手で九流の腕を掴んで涙を流し、切羽詰まる気持ちに口を開いた。
「だって・・・だってぇ・・・・」
何か言い分があるのか言い訳を口にしようとするざくろは九流へ縋るように手を伸ばす。
が、その手を無情にも払われてしまった。
「別れるか一生別れないか今、決めろ」
冷たく一瞥して答えを求めてくる九流に、唇を噛み締めて涙を流しながら首を左右へ振った。
「だめっ!先輩はダメ!!」
変な意地が出てきたざくろは自分の手で自身を握りしめ上下に扱き始める。
「はぁう、んっんっ・・・はあ、アッ・・・・」
「こら、一人ですんな!」
バシッと手を叩き中断させると、ざくろは九流を泣きながら責めた。
「な、なんでぇ・・・、してくれないなら放っておいて!俺はオモチャ扱いでいいんです!それができないなら先輩なんて要らないっ!!」
ざくろ独特の自虐と厄介な強情さが出てきて九流は舌打ちする。
そして、抵抗できないようにざくろの手を頭上へまとめあげた。
「もういい。選択権を変えてやる。一生、薬漬けにして監禁されるのと優しく甘やかせてもらうの、どっちがいい?それだけ答えろ」
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