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第214話

side 九流 仕事が終わらねぇ・・・・ やってもやっても次々と違う文章の書類が自分のデスクへ積まれてきて九流のイライラが周りの目に見えてくる。 他の生徒会委員達はいつ九流がキレるかドキドキしながら黙々と仕事に励んでいた。 そして、恐れながらも九流のサインと指示を欲し、容赦なく書類を束ね上げていく。 「く、九流さん、この件・・・・」 部活の予算問題の書類を持って気弱そうな会計委員長が怯えながら声をかけてきた。 九流は会計委員長を睨みつけて怒鳴り声を上げた。 「これぐらい自分の頭で考えて処理しやがれっ!」 ついにキレたと生徒会メンバーが肩を竦める。 そして、九流へ唯一立ち向かえる生徒会長の門倉へ救いの目を向けた。 門倉は苦笑しながら手に持っていた処理済みの書類を書記に手渡し、幼馴染みを見た。 「た〜け〜る君。怖い怖い。皆んな怯えるから怒鳴んないで」 「・・・・・」 ムスっとしながら視界の端に入った携帯電話を九流は手に取る。 「西條にまた電話?ちゃんと部屋で待ってるって誓ってたし大丈夫だって」 どうやら黙って行方を眩ませたのがよっぽどトラウマになっているのか九流は落ち着かない。 部屋に帰ってまたもぬけの殻になっていたら今度こそ自分の心は折れると溜息を漏らした。 「信じるって凄まじい愛の行動だと思うよ。猛もその愛の行動力で、はい!この仕事をこなそう!」 満面の笑顔で会計委員長からの書類を奪って、門倉は九流へ手渡した。 九流は嫌々ながらも舌打ちしつつ、その書類を乱暴に受け取ると視線だけで時計を見る。 「3時には何がなんでも絶対帰るからな」 2時を指す時計の針に門倉は曖昧な笑みを浮かべ、自分も溜まりに溜まった資料に視線を落として書類の処理に全力を費やした。 side 九流 終わり

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