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第222話

「あきら!」 ざくろが声を荒げると九流と門倉が止めに入った。 「妹ちゃんがいいって言ってるならいいじゃん!猛の家なら本当に何かあれば直ぐに連絡もくるし、西條も妹離れ少しはするべきだと思うけど?」 「その通りだ。だいたい、さっきも言ったけどお前の遠慮以外迷惑なもんはないから口挟むな。黙って流されとけ」 九流は素っ気なくいうと、携帯電話を取り出して何処かへ電話を掛け始めた。 「あ、母さん。明日から俺の恋人の妹、そっちに住ませるから」 通話状態から開口一番、何の前置きもなくいう息子に電話越しの母親の嬉しそうな声が漏れてきた。 少し話してから九流は早々に電話を切ると、あきらに笑顔を向ける。 「俺の家族は賛成みたいだから。何かあったら俺に電話掛けておいで」 「はい!ありがとうございます」 自分抜きにどんどん決まりかける今後にざくろは額を押さえて今の状況を把握しようと頭の中を整理していった。 「ちょ、ちょっと待って!待って下さい!!」 「なんだ?」 「変な事になってますよね?」 「なってねーよ」 「いやいや、なってますよ!」 ここは流されてはダメな気がするとざくろが顔を上げると九流はテーブルに頬杖を付いてニヤリとやらしく笑った。 「優しく甘やかして欲しいんだろ?・・・ここは甘えとくところだぜ?」 何を言われてるのか一瞬分からなかったが、昨夜のことを持ち出してるのだと気付いたざくろは顔をボンッと赤くして席を立ち上がった。 「先輩!」 恥ずかしさから大声で叫ぶざくろを隣のあきらがニヤニヤ笑う。 「へぇ〜、やっぱり九流先輩の側にいた方がお兄ちゃんにはいい環境なんだね」 クスクス嬉しそうに笑うあきらにざくろはもう何を言っても自分の意見が通らない事を察して口を閉ざした。

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