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勝利の晩餐

 口づけを離すと荒い息遣いが響いて恥ずかしさに顔を背けるとあらわになった首にシャルールが口づける。 「んっ……」  片手で腰を支えられて、もう片方の手が肌を撫でる。胸を撫でられて、のけ反ると視界がそのままぐるりと回転した。  驚いてシャルールにしがみつく。背中に感じた柔らかい布の感触にカウチソファーに押し倒されたことが分かった。  僕に跨ったシャルールが身体を起こす。  自分の着ている寝巻の紐を解くと、惜しげもなく上半身の裸を曝した。  赤黒く日焼けした肌にはまだ傷がいくつも残っている。程よくついた胸の筋肉とその腹筋、首筋、全てが美しく官能的で、見惚れることしかできなかった。  覆いかぶさられて、口づけをされ、その肩に腕を回した。 「ディディエ……このまま」  シャルールが求める言葉を紡ぐ。  熱い吐息が耳に触れる。掠れる声に強く求められていることを知らしめて、その喜びが心に広がる。 「シャルール……どうか」  このまま僕を抱きしめて、僕をあなたの物にしてほしい。  どうか、僕をもっと求めてほしい。 「……ディディエ」  呼ぶ声がさらに艶を増す。  起き上がったシャルールの赤い瞳は欲望を色濃く宿して、さらに濃く見えた。  頷きに変えて、「シャルール」と呼び返した。  シャルールの手が太ももへと伸ばされて、膝を持ち上げられる。広がる足の間に身体を押し込まれて、シャルールの高ぶりが、自分の高ぶりへと擦りあわされて、「あっ」と熱い声を上げてしまった。 「可愛いな」  シャルールの瞳が慈しむように細められる。 「は、初めてなんだ」  訴えるとシャルールは、「分かっている」と答えた。  奴隷ではあったが汚されてはいない。これまで誰にも許してはいない。シャルールが頷いて、「ベッドに行こう」と誘った。  起き上がったシャルールに手を引かれて寝室に向かう。続きの部屋になっているそこに連れて行かれて、同じように赤が基調の部屋の真ん中に置いてあるシャルールのベッドへと連れて行かれた。  シャルールに引き寄せられるがまま横にされて、再び仰向けに寝かされる。

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