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第6話
目が覚めたら病院だった。
点滴や機械につながれていた。
アイツを探そうとした。
無理やり機械やら点滴の管を外していると、看護師達が来た。
「あの日あの通りにいた人達の中で、あなたとあの子だけ生き残ったんだよ、あの子も無事だから寝ていて」
そう言われた。
「会わせて」と泣いた。
「今はダメ」と言われて暴れたら、何か注射を打たれた。
そしてねむる。
次に目覚めた時には警察が来てた。
質問に答えた。
全部。
死にたくないからアイツを犯したことも。
オレも裁かれるべきだった。
「あいつらは?」
怖かったから聞いた。
「まだ、なにも、でも捕まえます」
そう言われた。
無理だと思った。
あいつららは地獄から来たのだ、きっと。
オレは連中の顔すらおもいだせなかった。
「アイツは?会わせて?」
オレは泣いた。
会いたくないのかもしれない。
でも会いたかった。
「私からは何とも」
困ったように警察に言われた。
病院も違う病院に離されてしまった。
大人達は会わせてくれなかった。
アイツにならころされても良かった。
許してくれなくても良かった。
「特殊な状況下の特殊な精神状態だったんだよ。忘れなさい」
医者もそう言った。
忘れられるわけがなく。
退院したら。
アイツは転校していた。
そして、オレも転校した。
名前を変えた。
事件の後も色々あったから。
誰にも知られず生きやすいように。
生き残ったオレ達にあったことは秘密にされた。
何もなかったことにされた。
何も。
アイツとオレには何も。
こっそり思っていたことさえ。
苦しくて。
悲しかった。
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