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第21話 たかが1枚、されど1枚 <Side 誓将
失神するほど、抱き潰された。
お漏らしはさせられるし、潮は吹かされるし、ありえないところまで犯された……。
どうせ阿久津は、セフレを切るコトなど出来ないだろうから目を瞑ろうと思った。
でも、オレの胸の底には、どろどろとした醜い感情がヘドロのように蓄積され、阿久津に触れた瞬間に、どろりと溢れてしまった。
せめて隠してくれと願うオレに、“なんで信じてくれないんだ”と阿久津は拗ねる。
あの距離感に。あの触れ合いに。
オレと阿久津の間にある空間よりも、酷く近い彼らとの距離。
……嫉妬だ。ヤキモチ以外の何物でない。
阿久津に抱き締めてもらえたり、頭を撫でてもらえたりする彼らが、…羨ましかった。
どうにも出来ないと投げ遣りになるオレに、阿久津は“自分が悪いのだ”と謝ってきた。
きちんと言い訳をさせてくれ、と。
オレの誕生日プレゼントを買うために、彼女と出掛けていたらしかった。
断じてデートではないと、きっぱりと否定される。
オレの下着姿に盛る阿久津を煽り、手を出させる。
公園で抜いてやり、2回目だったというのに阿久津は、挿入 れた瞬間に射精した……。
あまりの早漏っぷりに、笑いが堪えられなかった。
でも。
可愛すぎるその姿に、阿久津の“我慢していた”という言葉を、信じてやるコトにした。
信じてやろうと思った瞬間、肩に噛みつかれ、生で挿入れられる。
たかがゴム1枚…、されどゴム1枚だ。
阿久津のペニスの熱さが、ダイレクトに粘膜を焼いた。
遠慮のない突き上げと、切なく見詰めてくる熱い視線に、身体も心も炙られた。
意識が浮上し、自分が横たわっている場所がどこなのかを探る。
たぶん、リビングにあったソファーの上だ。
身体も綺麗に拭かれ、気持ち悪さはない。
ふんわりとかけられているのは、肌触りのいいタオルケットだ。
ゆるっと持ち上げた目蓋に視界は開けてきたが、阿久津の姿が映らない。
がさごそと衣擦れのような音が、寝室側から聞こえてくる。
ギシギシと軋む身体をなんとか引き起こし、寝室方向へと視線を投げた。
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