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あの日は朝から雨が降っている、天気の悪い土曜だった。
義父は仕事に行き、光輝兄さんは悪天候のせいか家にいました。
まぁ、いつも通りそんな関わらずにいればいいやと自室にこもってピアノの練習をしたり、勉強をしてみたり。
この頃には、お義父さんに写真を撮られるようになっていて、少し性的ないたずらをされるようになっていた。
性的な…写真を撮る際にお義父さんの注文通りの表情が出来ないでいると、おちんちんを触られたり、脇や乳首、脇腹など、くすぐったいような場所を触られる程度だったけど、堪らなく嫌だった。
嫌だけど嫌とは言えない、言ったらこれ以上にきっと嫌な事、もしかしたら痛いことをされるのかもしれないという恐怖と闘っていた。
降り続く雨の中、トイレに行く際に光輝兄さんの部屋の前を通ったんだ。すると、声が聞こえてきた。光輝兄さんが友達でも連れてきたのかな、珍しい。そんな思い通り過ぎようとした。
「翠……」
光輝兄さんが俺の名前を呼んでるように聞こえた。ソッと部屋のドアを開けてみると、彼はドアを背に向けて動画を見ながら一人で喋っていた。
「翠……」
俺は目が悪くないとは言え、よくこの時すぐに判別出来たと思う。
光輝兄さんがスマホで見ていたのは蒼だったんだ。
俺がドアを開けたのも気づかず、光輝兄さんは話し始めた。
「ほんと、この子供見つけて良かったな。翠と瓜二つだ……。また会いに行こうかな、翠のそっくりさん。ふふふふ……」
最初見ていた動画は蒼が普通に子供らしく遊んでいる場面。
次に見始めたのは、蒼の頬に傷、しかも出来たばかりだろう血が流れてる傷で、蒼は涙を流して何か咥えていた。あれは………。この人がまた蒼に会いに行く前に俺が守らなくちゃ。すんなりそう思って、今来たかのように部屋のドアをノックし、「光輝兄さん」と入っていった。
「うわぁ!」
光輝兄さんは驚いて動画を消そうとしたようだったが、慌てたせいで上手くいかず、音量が上がってイヤホンがスマホから抜けてしまった。
おかげで聞こえたのは蒼の、何か咥えさせられてるから言葉になってない声と、光輝兄さんの「歯はたてるんじゃねー、そう、そうだ、翠…」という息を切らした荒い声。
「み、翠。だ、ダメじゃないか勝手に入ってきたら」
「トントン、てノックしましたよ。ぼく、光輝お兄さん久しぶりに昼間いるなら遊んでもらいたいなと思って……」
出来るだけ可愛らしく言ってみた。お義父さんはこういう俺を望んでるようだったから、もしかしたら光輝兄さんもそうなんじゃないかと思って。
「あっ、そうだったのか。いいよいいよ、何して遊ぼうか」
「ありがとうございます。光輝お兄さん、あの、今さっき、翠って呼んでるような気がしたんですけど、光輝お兄さんぼくの事嫌ってるわけじゃなかったんですね。あと、あのぉ……おズボン脱げてるみたいなので、ぼくまた後で来た方がいいですか?」
間抜けな光輝兄さんは、やっと動画は止めたものの、性器を出したままだった。俺が部屋に入ってくるなんていうイレギュラーな事に対応しきれてないようだった。
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