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油断大敵な二人の関係

「これじゃダメだ、しっかりしないと……!」  そう言って片手で顔を押さえ込むと、自分の心にしっかりしろと問いかけて頭を上げた。そして乱れた心を落ち着かせると座った便器から立ち上がった。そして外に出ようと扉に手を掛けた瞬間あいつにつけられた左手の跡に気がついた。 「あいつこんなところに痕なんかつけやがって…!今度こんなところに痕なんてつけたら……!」  左手につけられた痕を見ながら、急にさっきの事を思い出した。思い出すと身体中が熱くなる。それにまだ体が疼いてしょうがない。  もしあの時、あのまま誰も来なかったら――。  不意にそう思うと急に顔が熱くなった。 「ハッ、馬鹿か…――!」  一瞬、不埒な想像が頭に過ると自分でも馬鹿らしくなった。さすがに今のはどうかしてる。それじゃあ、まるで俺があいつと最後まで………。  その瞬間、再び我に返ると急いで奥の個室から出て行った。

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