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急接近。
「――情報に敏感か。さすが我が部署の〃期待〃の社員。戸田課長もそんな有望な社員が入社して、さぞかし鼻が高いだろうな。でも、お前飲み過ぎだ。悪酔いは体に毒だぞ」
呆れた様子で諭すとアイツからジョッキを奪って一言注意した。阿川は「酔っぱらってませんよぉ~!」と子供みたく拗ねるとテーブルに前屈みで頭を押し付けて完全に酔いつぶれた。
まるでどうみても子供っぽかった。普段はキリッとしてる一人前の男なのに。今は俺の前では、まるきり逆だった。呆れて溜め息をつくと、酔いつぶれたアイツの肩を揺すって起こした。
「ほら、寝るな! 起きろ阿川、帰るぞ!?」
「ん~もう閉店ですかぁ〜? まだ飲み足りないです。もう一軒行きましょーよ! 俺が全部奢りますからぁ~!」
「バーカ!いい加減にしろ、この酔っぱらい!」
「もう一軒~~!」
「ホラ、鞄持って出口まで歩け!」
「は~~い」
酔っぱらいと化したアイツを無理やり出口まで引っ張って連れていくと、直ぐ隣で騒いでる奴をほっといてレジで会計を済ました。そして、不意に振り向くとアイツの姿が居なかった。
「あれ……? おい、阿川?」
店の外に出ると辺りを見渡した。そしたら阿川は階段の所で踞って気分悪そうにしていた。予想通りの光景に俺は近くでヤレヤレと呆れると背中を擦って声をかけた。
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