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急接近。
「ほら見ろ、言わんこっちゃない。だから酔っぱらいは困るんだ。全く飲み過ぎはよくないぞ!」
「ウプッ…! すみません調子に乗り過ぎました。今度から気をつけます~!」
「はぁ……。まったく、お前って奴は…――」
「気持ち悪い~吐きそう」
「さっきは空腹で吐きそうで、今度は飲み過ぎで吐きそうなのか? ほんとに世話が焼けるなぁ。ほら、歩けるか? 一人で帰れるのかお前?」
「ダ、ダメです……! あ、歩けません……!」
「おいおい、ほんとヤレヤレだな」
阿川は階段の所で踞って顔色を悪そうだった。どうみても飲み過ぎの様子だった。遅かれ早かれ階段下で吐くのも時間の問題だった。
不意に腕時計を確認すると、終電時間にも間に合わなくなっていた。今から終電時間に急いでも酔っぱらいの阿川をほっといて帰るのも気がかりだったので、そこで溜め息をつくと一言話した。
「しょうがないな。お前ん家どこだ? 近くなら一緒に連れて帰ってやるよ。優しい俺に感謝するんだな。ほんとならその辺に捨てて今頃帰ってるくらいだからな。まったく……!」
そう言って話すとアイツの腕を片方、自分の肩に回させると座りこんだ地面から立たせた。そして階段を降りると酔い潰れて的もに歩けないアイツを連れて近くのタクシーを拾った。
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