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急接近。
タクシーを降りてから2人で静かな夜道を歩いた。アイツは相変わらず酔っぱらったまま隣で呑気に騒いでいた。騒々しいくらいだったので、途中で置いて帰ってやろうかと思ったが、仕方なく隣でアイツの肩を担ぎながら並んで歩いた。
夜風を浴びながら秋の気配を感じた。普段は、どうでもいいくらい気づかないことも、コイツの隣にいると小さな事にも気づかされてしまう。前はこんな事にさえ気にもとめなかったのに。俺はほんとに…――。
「……ほら、しっかり歩け! この酔っぱらい!」
「葛城さん~ビール買って帰りましょうよ~!」
「調子に乗るな酔っぱらいが……! 大体いつも、お前のせいだ! お前がいつも俺の――!」
「葛城…さん?」
阿川は俺の方をジッと見てきた。つい感情的になって口走ると視線を反らして辺りを見渡した。
「あった…! よし、あそこのコンビニ寄るぞ!」
「え…?」
「お前ん家に泊まっても必要品なんて無いだろ!? とにかくそこで大人しく待ってろ、すぐ終わる!」
「は~い。ここで大人しく待ってます~」
「フン……!」
コンビニの前で酔っ払ったアイツを待たすと、店内に入って歯ブラシと下着とTシャツなど必要な物を買った。そして、急いで店から出ると阿川の所へと戻って行った。
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