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急接近。
「お、お前、なに酒なんか飲んでるんだよっ!? こっちはお前の姿が見えなくて心配しただろ!」
「えっ?」
「あー、ムカついた! もう好きにしろ! 俺は帰る!」
「葛城さん俺の事を心配してくれたんですか?」
「フン…!」
「ごめんなさい~! だって葛城さんが買い物をしてる間暇だったので、俺も中でビールを買ってました!」
「お前まだ飲む気か!? いい加減にしろ!」
「はい、アナタも一緒に飲みますか?」
阿川は人の心配をよそにニコッと笑うと缶ビールを手渡してきた。なんだかイラッとくると、俺はアイツから缶ビールを奪った。
「よこせ! まったくお前には心底呆れる。次は絶対、お前が酒に酔い潰れていても家まで一緒に送って帰ってやらないからな!」
「それはつまり次もあるって事ですか?」
「バーカ! うぬぼれるな、お前調子に乗りすぎなんだよ!」
「怒らないでくださいよ~!」
俺達は2人で並んで歩きながらビールを片手に夜風を浴びた。そして、アイツは近道ですと話すと、近くの公園に立ち寄った。
さすがに深夜なので公園には誰も居なかった。とても静かで鈴虫の音が草木の間で鳴っていた。不意に訪れたこの静けに、俺は隣でビールを飲みながら呟いた。
「……もう秋だな」
「ええ、季節が過ぎるのも早いですね」
「ああ。そうだな」
「ん?」
気づくとアイツの手が俺の手を握っていた。
「……っ、お前。勝手に人の手を握るな!」
「いいじゃないですか、誰も居ないわけだし……。それにこう言うムードも時には大切ですよ?」
「お前なぁ…――!」
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