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急接近。
「お、お前がよくても俺が困る! 離せバカ!」
アイツに迷惑だと話すと、自分の手を振りほどいた。
「葛城さん可愛いなぁ……。こんな時でも、人の目なんか気にするんですね。俺は全然気にしませんけど。それに俺はいつだって――」
「ッ……!」
いきなりアイツは俺の方を見つめてくると真剣な眼差しで見てきた。その視線に一瞬、胸がドキッとなると体が急に熱くなった。
「そんな目で俺のことをみてくるんじゃねーよ。お前の所為で俺は…――」
「すみません気をつけます。あ~あ。ビールもう一本、飲んじゃおーかな!」
「お前それ以上飲んでどうする……!? いい加減にしろ!」
阿川は俺が止める間に飲み干した缶ビールを近くのごみ箱に捨てると次のビールをレジ袋から取り出すなり、フタをあけるとクビクビと煽るように飲んだ。
「あ~あ。俺は知らんぞ、俺は。それ以上飲んで酔っ払っても介抱なんか絶対してやらないからな!」
隣でため息をついて呆れるとアイツはニコッと笑って返事をした。
「またまた~。俺は知ってるんですよ、葛城さんの優しい所を。口では厳しく言っても本当は根は優しい人だって事を! 世界中の誰よりも、俺が葛城さんの事を知っています!!」
阿川は酔いが回っているのか、上機嫌で大きな声で話すと噴水広場の前でハシャギ始めた。その何気ない言葉に耳まで急に赤くなると、その場で怒鳴った。
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