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急接近。
「ばっ、ばか言ってるんじゃない…! 誰がお前と一緒に風呂なんか入るか! それこそ危険だ! お前が風呂場で大人しくしてるような奴には見えないからな、俺のこと襲う気だろ!? ホント、油断もできないなお前ってヤツは!!」
「ぷっ、葛城さん可愛いなぁ。誰も襲うなんて、一言も言ってませんよ。それとも期待してもいいですか?」
阿川はニヤニヤしながら酔っ払った口調で俺の方へとグイグイ迫ってきた。一瞬しまったと思うとアイツの前脚を蹴って言い返した。
「誰が一緒になんな入るか、死んでもお断りだ! さっさと服に着替えたら寝ちまえ、この酔っぱらい!」
「酷いな~葛城さん。すぐそうやって本気にするんだからぁ。ちょっと冗談で言っただけなのに、蹴ってくるなんて。でも、そうやって真に受けて本気にするところなんかやっぱ可愛いなぁ」
「うるさいんだよお前! さっさと服に着替えて来い!」
「は~い、着替えてきま~す」
「フン……!」
そう言って阿川は着替える為に、部屋の奥へと消えた。俺は疲れた溜め息をするとバスタオルを持ってバスルームへと向かった。
――ほんとつくづく油断できない奴だアイツは!
文句を言いながら脱衣所で服を脱ぐとバスルームの中へと入った。そして、シャワーを浴びながら頭を洗った。
それにしてもほんとに広いなバスルームまで。だけどガラス張りの風呂なんてアイツの趣味まるだしだ。やっぱ、変態だな。
頭と体を洗いながらアイツの″変態趣味″に呆れて溜め息をついた。
こんな透けたガラス張りじゃ、落ち着いて風呂なんか入れたもんじゃないな。
それに〃いつ〃アイツが入って来るかもわからないし――。
湯船に浸かりながら不意にそう思うと、辺りをキョロキョロと警戒した。
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