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急接近。

「おい、阿川起きろ! そのままだと風邪ひくぞ!?」 「ん~~!」 濡れた服のままベッドの上で爆睡してるアイツを叩き起こした。だが、阿川は完全に寝ていて起きなかった。 「――まったく、世話の焼けるやつだな!」  呆れて溜め息をつくと、アイツの着ていた服を文句を言いながら脱がした。阿川は寝息を立てて眠ったままだった。 「コイツ~酒癖悪いな、ほんと世話が焼けるな! 明日起きたら一言文句言ってやる!」 脱がした服をそこら辺に置くと、俺はキッと奴を睨んで舌打ちをした。アイツは上半身裸のまま、子供みたいに無防備に寝ていた。 「ホント、ヤレヤレだな。まったく…――」 壁に掛けられていた時計を見ると深夜2時を回っていた。コイツのせいで無駄に疲れると、あくびをして部屋を出て洗面所に向かった。歯磨きをし終えると携帯電話を持って部屋に戻った。アイツは爆睡したまま寝息を立てていた。 いざ隣で寝ようと思ったがやはり少し警戒した。よりによってコイツと同じベッドだなんて、絶対危険過ぎる。まさに襲ってくれと言わんばかりのシチュエーションじゃないか。俺はベッドの脇に立つと念のために確認した。 「おい、阿川! お前寝てるのか!?」  大きな声で話しかけるとアイツは「ん~」っと返事をして寝返りをうった。どうみても、完全に寝てる気がした。 「ふぅ…。なんだ寝てるか…――」  無駄に神経を使うとそこでヤレヤレと溜め息をついて携帯電話の目覚まし時計をセットすると、ベッドの脇にある机に置いた。すると、ある物が目についた。

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