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急接近。

「ん?」 机の上に小さな写真立てが飾られてあった。不意に手に取るとそれみ見た。写真立てには俺の写真が入っていた。 「なっ…――!?」 前に社員旅行で取った写真のようだった。コイツいつの間にと、写真立てを持ちながら阿川の方を見た。  よく見ると写真は途中で切れていて、俺の隣にアイツがいた。どうみても、無理やりくっつけた感じがあった。急に顔が火照ると写真立てをもとの場所に戻した。 「……ったく、お前って奴は」  かけてた眼鏡を外すと机の側に置いた。そしてアイツが寝ているベッドに入ると近くでアイツの体温と寝息を感じた。まさか一緒のベッドに入る日が来るとは…――。  まさに人生ってヤツはわからない事だらけだ。嫌いだった奴の隣で眠るなんて前の俺じゃ想像もしなかった。こうして今、一歩踏み込む事で俺の中で何かが変わろうとしていた。  この気持ちが何なのか、この思いが何なのか、アイツの言葉を不意に思い出した。散々聞かされた言葉が頭から離れない。 〃隙あれば、責めますからね!〃    コイツは一途で真っ直ぐで、その度に俺の心をかき乱す。こんな気持ちを一生、知る事も無かったのに――。 ″全部コイツのせいだ″ 隣でアイツの寝顔を見ていると、気持ちが僅かに揺れた。 「――…どうした。さっき期待してもいいんですかとか言ってた癖に、俺のこと襲わないのか?」  不意に話しかけると、アイツの方を振り向いてジッと寝顔を見た。静かな部屋にアイツの寝息がやけに響いた。    なんだ、やっぱ寝てるのか。 一瞬、気乗りした自分に呆れると、背中を向けて寝ようとした。するといきなりアイツが俺の事を抱き締めてきた。 「なっ……!?」

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