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恋の行方。

―――その日、柏木と萩原と阿川の4人で仕事帰りに飲みに行く約束をしていた。元々、柏木と萩原と俺の3人で飲む形だったが、何故か阿川が柏木と話をしたらしく結局のところ4人になった。そしてさらに人数が増えていった。賑わう居酒屋の店内でビールジョッキを片手に柏木に文句を言った。 「おいおい、柏木。ありゃ、一体どう言う事だ? ちゃんと俺に説明しろ!」 ビールジョッキをテーブルの上にドンと置くと、不機嫌な顔で問い詰めた。 「何で俺と柏木と萩原と阿川で飲むはずだったのに、よりによって戸田課長も俺達と一緒に居るんだよ!?」 「シーッ! バカ、おまえ、声デカイ! 課長に聞こえるだろ!」 「んなもん、知らねーよ!」  斜め向かいの離れた席に阿川と、その隣に戸田課長と、それを取り巻く他の男性社員数名と女性社員数名が居た。  どう言うわけか大所帯の飲み会になっていた。戸田課長の隣で阿川は笑いながら、酒を飲んで楽しく話していた。いや、むしろその場の雰囲気に馴染んでる感じだった。アイツは、そう言う所は凄かった。無難なく対応する所とか気が利くし、要領が良いタイプだった。  俺だったら戸田課長と一緒に飲み会なんて絶対断る。斜め向かい側の席で阿川は楽しげに話していた。戸田課長から酒を注がれるとヘラヘラした顔で「阿川飲みまーす!」とふざけた感じで手を上げて応えた。

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