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恋の行方。
萩原はソファーに彼の鞄を置くと声をかけた。すると、寝室に葛城をベッドの上に寝かせて掛け布団を被せた。そして、彼を見つめる瞳が何だか優しく見えた。不思議そうに見ると扉の前で再び声をかけた。
「自分はそろそろ二次会に戻るっす。柏木さんはどうするっすか? 一緒に二次会に戻ります?」
「ん? ああ、萩原。俺は葛城の事を見ておく。もしかしたら飲みすぎて、いきなり吐くかもしれないからな」
「了解っす。それじゃ、お先に失礼します!」
「萩原。お前も一緒に付き合ってくれてありがとうな、助かったよ」
「いえ、自分はとくに何も。それじゃ、この辺で――!」
軽く挨拶すると足早に二次会へと戻った。部屋の中はシンと静まり返っていた。柏木は、台所でタオルを濡らすと、それを持って寝室に戻った。葛城は目を覚まさずに、気を失ったままだった。冷たいタオルで顔を拭くと傍で静かに見守った。そして、不意に彼は傍で考え込んだ。眠っている顔をジッと見ながら一人考えていた。一瞬、不意にさっきの出来事を思い出した。普段とは違った葛城の様子に彼はそこでぼそっと呟いた。
「――まさかお前があんなバカな事するなんてな。普段は冷静なお前が、あいつのためにあそこまでするなんて俺にはわからないな…。なんであの時、お前は阿川の為にあんな無茶な事を……」
「ん……」
「お、葛城。目が醒めたか?」
萩原は傍で彼の名前を呼んで話しかけた。だが、葛城はそのまま酔いつぶれて熟睡していた。時折小さな寝息を立てていた。名前を呼んでも反応してないことから、柏木は濡れたタオルで彼の顔を拭いた。
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