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恋の行方。

「……水を溢して服が濡れたから、着替えついでにシャワーに入ろうと思っただけだ」 「そ、そうなんですね……!」 「安心したか?」 『はいっ!』 「……」 こいつ。鎌をかけてみたらやっぱり人の事、まだ疑ってやがったな……(怒)   再び怒りのゲージが上がりそうになると、アイツが目の前でニコッと笑って来たので、スッと怒りが急に治まった。 「クソッ、お前と居ると本当に調子が狂うな……」 「はい?」  阿川は俺の調子なんかお構い無しに、キョトンとした顔でこっちを見てきた。 「あっ、でも…! 俺が居る時は猫耳カチューシャに裸エプロン姿でも全然構いませんよ!」 「お前の頭どう言う脳内変換されてるんだ!? 誰が家の中で、そんな格好なんかするか!」  突拍子もない話しに頭が痛くなると、あきれたまま、寝室から客用の毛布を持って戻って来た。 「え〜、可愛いのにぃ〜。じゃあ、バニーちゃん何かどうですか?♡」 『死ねっ!!』  あまりの能天気ぶりにムカついて、毛布を顔面に向かって投げつけた。 「脳内お花畑のヤツの話に付き合ってられるか! これ持って、とっととソファーで寝ちまえ!」  「酷いなぁ。何も毛布を投げつけて怒らなくてもいいのに〜」 「ついでに言っとく。柏木とはお前が思って想像してるような関係は100%無い。アイツは俺の大事な親友なんだ。これ以上、変な事言うなら今直ぐ家から追い出すからな……!」  そう言って一言、釘を刺した。 「……わかりました。夜も遅いですし、大人しく寝ますね。貴方を怒らせて家から追い出されたら、今日は路頭で新聞紙を敷いて寝る羽目になりますからね。さすがの俺も、それは勘弁です」  何も言わずに大人しく引き下がると、グレーのソファーに横たわって毛布に包まった。寝るのを見届けると、居間から出ようと扉を開けた。 「そうだ……。冷蔵庫の中にある食べ物は、勝手に食べて飲んでもいいぞ。腹が空いたら食べとけ。あと今からシャワーに行くから、変な気は起こすなよ。もし覗きに来たら殺す。分かったな?」 「葛城さん、それって俺のこと誘ってます?」 『アホかっ!!』 急にムキになって怒鳴ると、部屋の扉をバタンと閉めた。そして、そのまま浴室へ直行した。

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