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第2話(5)
「そろそろ開けるか?」
店長の声が聞こえて戸川がキッチンから出てくる。
添さんが店の電気を点けて僕が店のドアの鍵を開けると、既に2組のお客さんが待っていた。
「こんにちは!いらっしゃいませ〜」
にっこり笑ってドアを開けたままでいると、毎日1番にやって来る50代くらいの2人組は「今日もいい笑顔ね〜」と満足げに店に入る。
その後ろに居た3人組もたまに来る20代主婦仲間だ。
この店はオープンが11時と喫茶店やカフェの多いこの辺りでは1番開店が遅い。
営業時間は11時のランチ営業からカフェタイムを挟んで夜8時の軽い夕食まで。
大学のすぐ側だっていうのもあって僕と戸川はちょいちょいみんなの都合に合わせてシフトも変える。
基本は店長と添さんが居て僕ら大学生組が2人入る。週1交代で店長と添さんは休みを取るから、その時だけは僕らは3人。
男ばかりの職場だけど、客層は9割女で、カフェタイムなんかは大学が多い地域だから女子学生がかなり増える。
添さんはちょいちょいその中からデートも行ってるみたいだけど……
「さくらちゃん、今日もかわいいわねぇ」
「えー!ありがとうございます!」
僕は“かわいい”ってチヤホヤされるのが好きだ!
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